外資系エンタープライズテクノロジー企業の多くは、日本に人員を置く前に、パートナー経由で市場に参入します。最初の採用は、そのパートナーモデルが機能するかどうか、そして事業がどれだけ早く自立できるかを左右します。

採用は、多くの企業で参入のペースが落ちる部分です。日本の外資系企業は、人材確保を主要な課題の一つとして一貫して挙げています。

当初、信頼を担うのはパートナー

日本に拠点を持たないベンダーから製品を購入する日本の顧客は、リセラーやディストリビューターを頼りにしています。決め手となるのは、パートナーの評判と、日本で製品を十分にサポートできるというパートナーの約束です。ここでいうサポートとは、日本語で対応でき、製品を深く理解し、技術的な問題を迅速に解決できるエンジニアがいることを指します。

少人数かつ日本法人なしで日本参入に成功したベンダーは、この信頼を十分に活かしていました。パートナーが自信を持って製品を勧められるよう、必要なものを提供していたのです。

うまくいかなくなるところ

このモデルが崩れるのは、顧客、パートナー、ベンダー本社の間のやり取りが滞ったときです。パートナーは本社からの回答を待ち、技術的な問題は解決されず、顧客の不満はパートナーに向かいます。その時点で、パートナーは取り組みを見直し始めます。

SLA(サービスレベル契約)で誰が何をサポートするかは定められますが、それで問題が解決するわけではありません。日本の顧客は、契約の範囲を超えるサービスと品質を期待することが少なくありません。2010年代に日本に参入したグローバルなITサービス企業やインテグレーターも、この点に苦労しました。そうした企業で働いていた候補者からは、企業が想定していたサービス水準と、日本の顧客が期待する水準との間にギャップがあったという話をよく聞きました。

最初のリーダーに求められること

日本における最初のリーダーの役割は、営業の統括にとどまりません。最初の1年間は、通常次のような役割を担います。

  • 市場での認知を高め、新規顧客との対話を始めます。
  • 専任のチャネル担当を採用する前に、チャネルパートナーとの対話を始めます。
  • パートナーを選定します。
  • 設立手続きを含め、日本法人の基盤を整えます。
  • 日本市場をよく知らない本社に、日本について説明します。

このうち最後の役割が、成否を最も大きく左右します。日本で足場を築くには多くの市場より時間がかかり、本社は結果を急ぎがちです。現実的なスケジュールを示し、本社が慣れているより緩やかなパイプラインの背景を説明できるリーダーは、仕事をやり遂げるために必要な支援を得られます。これができないカントリーマネージャーが成功することは、ほとんどありません。

最初の1年に本社が何を期待すべきかは、日本をどれだけ戦略的な市場と見ているかによって異なります。ベンダーは多くの場合、事業を進めやすいオーストラリアやシンガポールなど英語圏の市場を先に開拓し、日本はその後になります。シリーズAやBの段階で日本に挑戦する企業はまれで、日本が候補に挙がるのはシリーズC以降が多くなります。一般的には日本のカントリーヘッドよりも先にAPACヘッドを採用するため、日本のリーダーは地域統括の下に置かれることが多いものの、例外もあります。

チャネルの経験と、直販の実績

まずディストリビューター経由で参入するのが圧倒的に多いパターンであり、ディストリビューターとの関係を持たない最初のリーダーはまれです。それでも、カントリーリーダーを採用する企業の多くは、チャネル販売よりも直販の実績を重視し、あわせてSIerとの既存の関係を求めます。

その理由は、パートナーは市場への入り口をもたらすものの、すべてを担うことはまれだからです。最終的にパートナー経由で成約する場合でも、最重要顧客にはベンダー自身の人員が取り組む必要があります。

完全なディストリビューターモデルは例外です。Box Japanは最初の10年近く、パートナー経由でのみ販売しており、このモデルを選ぶベンダーには、チャネルを強みとするリーダーが必要です。

最初のエンジニアは同時に採用する

最初の技術職は、カントリーマネージャーの後ではなく、同時に採用することをお勧めします。すべての販売がパートナー経由であっても、日本にエンジニアがいれば顧客への対応時間が短くなり、パートナーのエンジニアと本社の間の遅れもなくなります。ローカライズに関する質問は初日から寄せられます。日本で答えられる人が早くいるほど、チャネルが抱える摩擦は小さくなります。

よくある2つの失敗

1つ目は、必要な時間を見誤ることです。新規顧客の獲得、売上の計上、そして自立して利益を出せる拠点になるまでには、本社の予測より長くかかることが少なくありません。

2つ目は、様子見の期間が長すぎることです。最初の12~18か月をEOR(雇用代行サービス)とコワーキングスペースで始めるのは妥当です。しかしそれ以上続くと、パートナーや顧客に撤退の可能性があるという印象を与えます。日本の顧客は、長く日本に留まる姿勢を示していない企業と複数年契約を結ぶことはほとんどありません。その姿勢を示すのは、登記した日本法人、オフィス、そして正社員のチームです。

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よくあるご質問

日本では最初に誰を採用すべきですか?

まずカントリーリーダーを採用し、同時に最初の技術職も採用することをお勧めします。エンジニアがいれば、パートナーや顧客への対応時間を当初から短縮できます。

最初の日本のリーダーは、チャネル営業と直販のどちらの出身がよいですか?

多くの企業は直販の実績を重視し、あわせてディストリビューターやSIerとの関係を求めます。ディストリビューター経由のみで販売する計画であれば、チャネルを強みとするリーダーが必要です。

日本法人を設立せずに日本市場に参入できますか?

はい。多くのベンダーは、最初の12~18か月をパートナーとEORで始めます。それ以上になると、パートナーや顧客は日本法人がないことを撤退の可能性と受け止め、複数年契約の獲得が難しくなります。

日本のパートナーがベンダーへの関心を失うのはなぜですか?

最も多い理由は、サポートの遅さです。パートナーが本社から回答や修正をすぐに得られないと、顧客の不満がパートナーに向かい、パートナーは関係を見直し始めます。

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